人口50万人を目前に減少

 自治体にとって人口の増減は、市町村の魅力を推し量る重要なバロメーターの一つといえます。地価、交通網、生活環境などさまざまな要素から住民は住む場所を選びますが、松戸市も首都・東京と隣接する千葉県の玄関口としての利便性を生かし、政令指定都市の指定要件となる人口50万人が目前に迫るまで順調に人口を増やしてきました。
 昨年、松戸市も広報(2020年8月1日号)などで「人口50万人到達予想クイズ」を実施するなど、50万人到達を前提に盛り上がりを見せていました。
 しかし、その人口は2020年4月末日現在の499,307人(住民基本台帳人口による松戸市調べ)をピークに減少傾向に転じました。人口統計には大きく分けて、住民基本台帳によるものと、5年に一度行われる国勢調査を基準に毎月の増減を加算する常住人口と呼ばれる2種類がありますが、どちらも50万人には到達せず、国勢調査により修正された2020年10月現在の数字を除けば、2種類の人口推移はともに同時期をピークに下降しています。
 人口減少時代において、出生より死亡が上回る状態は近年続いていますが、転出が転入を上回る社会動態による減少がこの一年で見られ始めました。コロナ禍で首都圏外への移転が進んでいることなど理由は挙げられるかもしれませんが、私はそれだけではないと考えています。【図1】は2020年10月の国勢調査から2021年10月までの近隣他市との人口増減の比較です(千葉県毎月常住人口調査より)。この1年間で松戸市は1,167人、市川市は706人減少しています。一方、流山市は3,878人、柏市は3,186人、船橋市は1,710人増えています。同じような条件にある近隣市でも、選ばれる市と選ばれない市の差が明確です。さらに5年に一度の国勢調査を2000年から比較してみると、すべての市が増加していますが、増加数は松戸市が最下位です【図2】。

【図1】6市の人口増減(2020年10月1日以降)
【図2】6市の人口増減(国勢調査毎)

 人口は市の財源に直結します。財源が少なければ提供できる市民サービスが低くなり、市の魅力は低下します。魅力の低い市からは人口が流出して、より市民サービスが低下します。危機的な悪循環はすでに始まっているのではないでしょうか?
 愛する松戸を、もっと魅力のある松戸に。未来に向けて、「いま」取り組みます。

①「松戸駅周辺まちづくり構想」を成功させ、松戸市の顔・松戸駅周辺をイメージアップ&市内唯一の人口増加地区・東松戸駅周辺の活性化
  「松戸市のイメージって何?」「こんなまちに住みたい!」を実感できる魅力ある駅前を創造する。
②防災防犯都市・松戸を目指す
  「命が守られている」安心感こそ自治体の重要な役割。洪水や震災、犯罪や事故に備えた道路・河川・ライフライン・防犯カメラなどインフラの再整       備。
③空き家・大規模団地を再生
  50万人が住める器はすでにある。再整備、リノベーションにより未来に向けて夢のある街並みを形成して、50万人都市を実現する。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です